
高校生でも8割わかる!?人気海外ドラマの英語を徹底調査してみた
こんにちは、まなぶーん編集部です。
英語をペラペラ喋れるのって憧れますよね。ただ、残念ながら今の筆者には勉強にかけるお金がありません。
そんな中で、最近流行っていると聞いたのが海外ドラマを英語のまま見るという学習法。
DVDをレンタルするだけなので費用が安いらしいですが、あれって本当に勉強になるんですか?海外ドラマの英語って相当レベルが高いはず。
そんな素朴な疑問を解決すべく、筆者はあるリサーチを決行しました。
そう、出てくる単語の徹底調査です!
Step 1:英語版の台本を準備
Step 2:台本から全ての英単語を抜き出す
Step 3:そこから重複しているものを削除
Step 4:レベル別にカウント
この4つのStepにより、英単語を数え上げ、レベル分けして、どのレベルの単語がどの程度出ているのかを調べてみました。
以下にやり方を紹介するので、皆さんもぜひ参考にして下さい。
▼作品決定
「さてさて、最近人気の海外ドラマは何かな?」と思い、見つけましたこの作品。
(Amazon.co.jpより)
イギリスのBBCが制作した『SHERLOCK』です。
すでにシーズン1からシーズン3まで制作されていて、日本の地上波でもNHKで放送された模様です。舞台は21世紀のイギリス・ロンドン。アフガン戦争から負傷帰還したジョン・ワトソン医師とコンサルタント探偵であるシャーロック・ホームズの2人の活躍を描く物語であり、原作通りの推理力に加えて、あのシャーロック・ホームズがスマホを使いこなしながら事件を解決するという斬新な設定となっている(らしいです)。
▼Step 1:台本準備
単語を調べるには、まず台本(スクリプト)を知る必要があります。当初、「ドラマの英語字幕を見ながら全部の単語を書き出してやる!」と考えていましたが、さすがに無理でした。そこでネットサーフィンしたところ、こんな便利なサイトを発見。
URL: http://arianedevere.livejournal.com/
ここには、『SHERLOCK』の全話のスクリプトに事細かな情景描写が加えられたものが載っています。ここから、シーズン1の第1話『ピンク色の研究』のスクリプトを引用しました。皆さんもぜひご利用ください。
▼Step 2:英単語数カウント
次に、英単語数をカウントします。
ここで用いたのが、「英単語カウンター」というサイトです。全ての英単語を(重複しているものも)カウントし、出てくる回数順にリストアップしてくれます。
スクリプトから、話し手を指す単語と情景描写、日付や道路標識などの台詞以外の単語を排除してこの英単語カウンターで調べると、シーズン1の第1話に出てくる単語の合計は10372語、重複を除くと1577語出てきました。
下が調査途中の表です。出現頻度上位50単語を載せました。左の数字は順位、右の括弧内の数字は出現回数を表しています。
1. you (460) | 11. what (109) | 21. just (78) | 31. have (65) | 41. can (51) |
2. i (326) | 12. and (109) | 22. we (76) | 32. was (64) | 42. they (45) |
3. the (271) | 13. your (93) | 23. this (73) | 33. don (64) | 43. ve (45) |
4. s (252) | 14. in (93) | 24. me (71) | 34. be (62) | 44. my (42) |
5. a (233) | 15. is (91) | 25. no (71) | 35. there (61) | 45. about (42) |
6. it (222) | 16. he (88) | 26. but (71) | 36. m (61) | 46. oh (42) |
7. to (168) | 17. re (85) | 27. on (70) | 37. do (60) | 47. got (42) |
8. t (164) | 18. her (83) | 28. for (68) | 38. are (58) | 48. yes (41) |
9. that (140) | 19. she (81) | 29. know (66) | 39. one (57) | 49. get (40) |
10. of (120) | 20. not (80) | 30. so (66) | 40. who (51) | 50. him (40) |
▼Step 3:重複削除
レベル分けに取り掛かる前に、もう1つ作業が残っています。
それは単語の重複を消すこと。
こう聞くと、「いやいや、単語の重複なら英単語カウンターがやってくれたじゃん!」とお思いでしょう。それは違います。上の表を見れば、筆者が何を言っているかわかると思います。
……そう!まだ過去形・現在分詞・過去分詞・短縮形などの活用形を削除しきれていないんです。「英単語カウンター」では、変形している単語は別カウントになってしまいます。上の表だと、getとgot、haveとveは別カウントになっていますよね。ですが、(次のStep 4を見ればわかりますが)現在形も過去形も同一の単語として扱う必要があるんです。
今回の検証では、以下のルールに基づいて英単語数を削りました。
・同一単語とするもの
→活用形(giveとgivingとgaveなど)、短縮形(’mとamなど)
・別の単語とするもの
→派生語(apparentとapparentlyなど)
・削除するもの
→人名・地名等の固有名詞
・特例
→ホームズが推理している時に浮かぶ文字やメールの文面はカウント
削除方法は以下の通りです。
1) 単語をすべてExcelに打ち込む
2) フィルタを用いて活用形を検索
→削除
3) 活用形が大きく変わる不規則動詞
→動詞の活用表をExcelに打ち込む
→VLOOKUP関数でまとめて変形
→重複部分を削除
4) あとは、短縮形などを1つずつ(自力で)探して削除
慣れない関数計算、4つ目の工程におけるExcelファイルとのにらめっこなど、苦節の末に1237単語が出てきました。
諸説ありますが、中学英語で学ぶ単語数が1000語、大学受験におけるセンター試験を80~90%理解するのに必要な単語数が(中学英単語を除き)1800~2500語と言われています。もしかしたら、1237語の大半は中学または高校で勉強する単語なんじゃないか!?
Step 4:単語のレベル分け
さて、上の仮説を確認するために、出てくる単語を1つずつレベル分けします。この際、単語の出てきた回数は考慮しません。そうしないと、youとかIとかの単語に偏り過ぎてしまうんですね。
今回、レベル分けの参考にさせていただいたのは、株式会社アルクが編集した「レベル別語彙リストSVL12000」です。

(出典:http://www.alc.co.jp/vocgram/article/svl/)
ここにあるものを、独自に以下の6段階にレベル分けしました。このリストでは、過去形などの活用形も同一単語だと見なされています。Step 3で活用形を削除したのはこのためでした。
① 小学生・中学生レベル
(SVLレベル1 1000語)
② 高校生レベル
(SVLレベル2~4 3000語)
③ 大学受験レベル
(SVLレベル5~6 2000語)
④ TOEIC高得点(860点)レベル
(SVLレベル7~8 2000語)
⑤ ビジネス・イングリッシュレベル
(SVLレベル9~12 4000語)
⑥ 新語・俗語(その他)
再度Excel関数を用いて計算した結果、以下のような結果が!(必見です)
なんと、レベル①とレベル②の単語が圧倒的大半を占めており、
その割合は1237語中1010語=81.6%!
ということは、高校生以上の人ならばドラマの中の単語の8割以上は意味がわかるということですよね……驚きです。
▼まとめ
想像以上に単語レベルに偏りがあり、調べた筆者自身も驚きを隠せません。出てくる英語の8割以上が社会人なら一度学んだことがあるものだったとは。単語は間違いなくほぼ知っているはずなので、時間さえあればお金のない筆者でも気軽に会話表現を学べそうです。
今回は『SHERLOCK』を扱いましたが、機会があれば別のドラマでもやってみたいですね。皆さんもお気に入りのドラマや映画があれば、ぜひ調査してみてはいかがですか?
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こんにちは、まなぶーん編集部です。
英語をペラペラ喋れるのって憧れますよね。ただ、残念ながら今の筆者には勉強にかけるお金がありません。
そんな中で、最近流行っていると聞いたのが海外ドラマを英語のまま見るという学習法。
DVDをレンタルするだけなので費用が安いらしいですが、あれって本当に勉強になるんですか?海外ドラマの英語って相当レベルが高いはず。
そんな素朴な疑問を解決すべく、筆者はあるリサーチを決行しました。
そう、出てくる単語の徹底調査です!
Step 1:英語版の台本を準備
Step 2:台本から全ての英単語を抜き出す
Step 3:そこから重複しているものを削除
Step 4:レベル別にカウントこの4つのStepにより、英単語を数え上げ、レベル分けして、どのレベルの単語がどの程度出ているのかを調べてみました。
以下にやり方を紹介するので、皆さんもぜひ参考にして下さい。
▼作品決定
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「さてさて、最近人気の海外ドラマは何かな?」と思い、見つけましたこの作品。
(Amazon.co.jpより)
イギリスのBBCが制作した『SHERLOCK』です。
すでにシーズン1からシーズン3まで制作されていて、日本の地上波でもNHKで放送された模様です。舞台は21世紀のイギリス・ロンドン。アフガン戦争から負傷帰還したジョン・ワトソン医師とコンサルタント探偵であるシャーロック・ホームズの2人の活躍を描く物語であり、原作通りの推理力に加えて、あのシャーロック・ホームズがスマホを使いこなしながら事件を解決するという斬新な設定となっている(らしいです)。
▼Step 1:台本準備
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単語を調べるには、まず台本(スクリプト)を知る必要があります。当初、「ドラマの英語字幕を見ながら全部の単語を書き出してやる!」と考えていましたが、さすがに無理でした。そこでネットサーフィンしたところ、こんな便利なサイトを発見。
URL: http://arianedevere.livejournal.com/
ここには、『SHERLOCK』の全話のスクリプトに事細かな情景描写が加えられたものが載っています。ここから、シーズン1の第1話『ピンク色の研究』のスクリプトを引用しました。皆さんもぜひご利用ください。