
心と身体をリフレッシュ!行けばハマる山歩き
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山には、魅力がいっぱいあります。「頂上に立つことだけを目的にするのではなく、自分の好きなことを山でも楽しんじゃおう」という、そんな気持ちがより一層楽しい山歩きにするのです。
今回は心と身体をリフレッシュできる、山歩きの魅力について紹介します。
こんなにある!山歩きの楽しみ方
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▼ ロングな散歩感覚で歩き、風景を見ながらおしゃべりや読書、音楽を聴いて relax!
山小屋のテラスのビールは最高です。なんとなく自然の心地よさを感じながら歩くだけでも、充実した時間を過ごすことができます。
▼ 簡単な料理を作り、コーヒーを淹れて break!
自然の中での食事は、同じ料理でもいつもと違う味がするもの。山の空気といっしょに、おいしくいただきましょう。
▼ スケッチを描く、写真を撮る art!
山には美しい被写体がたくさん。「これぞ」と思うモデルを見つけ、絵や写真に収めてみてはいかがでしょうか?
▼ 四季の花(高山植物)を調べる、動物を見つける study!
雷鳥、ホシガラス、オコジョ、鹿、カモシカ、猿、魚、蝶……山にはたくさんの生き物が棲んでいます。自然の中で、季節の移り変わりを肌で感じることができるのも、山歩きの魅力です。
▼ 星座や雲、岩石を探す watching!
都会の街中ではなかなか見ることのできない星空も、山頂でなら美しく見られるはず。普段は見つけることのできない自然を、たくさん探してみましょう!
▼ 下山後の秘湯や美味しい食事を楽しむ gourmet!
山登りで身体を動かしたあとの温泉や食事は最高です。自然に触れて心が癒されたあとに、身体を癒すことも忘れずに!
山登りで得られるもの
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山登りをしたあと、身体や考え方にもきっと変化が訪れるはずです。
▼ 山に置いてきたよ、と感じるコト:日常で何かあった時の、イライラモヤモヤ
(心の呟き、嘆き、叫び、上げたらキリがないほどあるイヤなこと)▼ 山がくれたよ、と感じるコト:心地よい筋肉痛とポジティブに生まれ変わった新しい自分
(積極的に仕事を片付けている自分になっている)「あぁ、楽しかったなぁ……今度のお休みの日は、あの山に行くんだ。 それまでにこれを片付けなくちゃ……!」山歩きが好きになると、そんなふうに日常の励みにもなりますよ。
山は特別な世界ではない
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しかし、正直なところ、山を登ってもそこは特別な世界ではありません。今と同じ現実があるだけなんです。もしかしたら、もっと最悪かもしれません。携帯は繋がらないし、コンビニだって当然ない……今よりもずっと不便な世界なんです。
だけども、森や山を歩いていると、名も知らない雑草のような小さな花が、不思議とキレイに見えてくるのです。ましてや何百年という巨木に出会うと、感嘆の言葉と共に、両手で触れて抱きついたり、耳を押し付けたりして……そのような巨木に触れていると、不思議と心が落ち着いてくるんです。
きっと植物が放つ自助作用、フィトンチッドを人間も徐々に取り込んで、心地よいなって感じているからなんだと思います。夜露に濡れた葉、流れる沢の水だって、光り輝いているな、って感じてしまう。
山にくると、自然と心が洗われていく感じがするのです。
木漏れ陽のひんやりとした森の中を歩き、滝の飛沫を浴びて、冷たい水に火照った足を浸ける。たったそれだけのことでも、便利な都会よりも不便な山の方が、なぜか過ごしやすいような気持ちになってしまいます。
山歩きの翌日は駅の階段で、筋肉痛がつらく手すりにしがみついてしまうこともあります。だけど、その痛みが心地よくて、つい笑顔になってしまうこともあるんです。
山登りや山歩きの楽しみ方は、人それぞれ
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山という日常と隔離された世界に、さまざまな想いで登り、偶然に居合わせた見知らぬ人同士が挨拶を交わし、笑顔で話している。非日常かも知れないけど、だからと言ってそれほど現実離れしているわけでもありません。
登っては下りる、たったそれだけの行為だけど、大事な休日を使い、装備やお金の工面をして、ようやく山へ行けることになる。でも、山に一歩踏み入れたときから、これから起こる期待感や、見知らぬ世界への小さな冒険心を感じてワクワクすることもあるんです。
一木一石、一花に至るまで、心は躍り感激してしまいます。
日常で何かが起こったとき、何かを感じたとき、何かを求めたり探している自分を感じたとき、山や森があることをを思い出してみませんか?
お弁当とペットボトル、カメラやスマートフォンを持って高尾山に行ってみましょう。
大した装備やウェアーはなくても大丈夫。「山だから」「登山だから」なんて形に拘らず、「今日はお天気だから、お昼のランチは高尾山だ!」そんな気持ちで2~3時間、景色を眺めながら過ごすピクニックを想像すればOKです。
山は心のお薬になる
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身体への傷は薬で治せるけど、心の傷には自然の中を歩いて癒すのが一番なのです。森の木々は、動くことはできませんが、自然界のウィルスと懸命に戦い、私たちに四季の移り変わりを教えてくれます。
綺麗な山並みの景色、巨木や沢のある樹林帯、登りは少し辛いけど、足には優しい土の登山道……街に戻れば、リフレッシュされた自分を感じることができます。山は何も言ってはくれないけど、都会の私たちを救ってくれる心の「お薬」なんです。
<ナビゲーター>
加藤 幸光 Yukimitsu Kato
登山と写真のプロ日本山岳ガイド協会所属、公認登山ガイド。山岳カメラマン。トレイルランニングガイド。