おしえる
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  “おしえる”で広がるセカンドライフ スキルをシェアすることで次世代を応援したい

“おしえる”で広がるセカンドライフ スキルをシェアすることで次世代を応援したい クラフト工房Kichijoji|Kyosuke Yasuda

  • 「海外に旅行する時は、できるだけ現地の人々と交流したい」――安田享祐さんが、言葉以外のコミュニケーションツールとして思いついたのが、折り紙や草玩具など、日本らしいクラフトをその場で作り、プレゼントすること。見知らぬ自分でも、技を披露すれば即座に認めてくれる。そんな真っ正直な子どもたちの姿が安田さんの脳裏に焼きつき、手工芸の技を磨く動機となりました。

    パソコン教室を営むかたわら、ストアカでクラフトづくりの講座を開く安田さんはなぜ多面的に「おしえて」いるのでしょうか。詳しくお話を伺いました。

55歳で定年退職 「もの」と向き合う研究職から「ひと」と触れ合う先生に

  • 安田さんはストアカに登録される前から、自ら営んでいるパソコン教室 の「先生」でいらっしゃいました。どうしておしえる仕事を選んだのですか?

     

    会社員時代は研究職ひとすじで、仕事の相手は主に「もの」でした。「テーマに沿って実験データを取り、それを報告書にまとめ、学会で発表する」「装置を設計して、試作品を作りながら完成品に近づけていく」業務を長年、繰り返しおこなってきました。

    定年退職を意識したのは50歳を過ぎた頃。あらためて、それまでの自分の仕事を振り返ってみたら、なぜだか物足りなさを感じてしまったんです。考えをめぐらせた結果「“ひと”相手の仕事を全くしたことがないからだ」と気づきました。

  • そこで「ひと」相手の仕事に関心を持たれたんですね

    はい。そうして浮かんだアイデアが、パソコン教室を始めて先生になることだったんです。当時の同僚の中で、定年後に自営業を選んだのは私ぐらいでしたね。大体のひとは、メーカーや子会社に再就職していきました。

  • 他のひとと違う道を選んで、よかったと感じたことはありましたか?

    おしえるために身につけたパソコンの知識や技術がご縁となって、情報系の学部で大学の非常勤講師をしていた時期がありました。約60人の学生を相手に、1コマ90分の講義はなかなか骨の折れる仕事でしたが、「教師になること」は私の夢でもあったので、それが実現できたことは感無量でした。また、技術面、特にソフトの使い方に関しては、格段にレベルアップを図ることができました。

日本の伝統的な“遊び”が海外でのコミュニケーションツールになった

  • パソコンとクラフトづくりは、デジタルとアナログ。まったく正反対のものに思えます。どのようにして折り紙や草玩具などと出合ったのですか?

    もともと手先を使った作業が好きで、子どもが小さい時も、よく折り紙を折って遊んでいました。技術を本格的に磨いたのは、海外旅行にひとりで出かけるようになった4~5年ほど前からです。

    名所や遺跡を巡るよりも、市場やカフェに行って現地のひとと交流することが私の旅の楽しみ。経験から言うと、言葉よりも「もの」を介在させたほうが「ひと」と仲良くなれるパターンが多いんです。例えば、目の前で、折り紙を折ってみせて、できあがったものをぱっとプレゼントする。それだけで子どもたちは「すごい!」と大喜びしてくれます。

  • 講座でおしえている「折り鶴ピアス」も外国人に喜ばれそうですね

    これも、もともとは海外旅行に行く際にお土産として用意したものでした。妻から折り鶴を提案されて、私なりにアレンジして制作したのが折り鶴ピアスです。

     

    教室内に飾られている折り鶴の作品。素材選びにもこだわる

  • こうしたクラフトづくりの技術を「誰かにおしえよう」と思ったのはなぜですか?

    このスキルを埋もれさせてしまうのはもったいないと感じたからです。私のモットーは「ひとがやらないことをやる」。折り鶴ピアスひとつにしても「和洋どちらの装いにも合わせやすい、色合いを選ぶ」など、他にはないノウハウやこだわりがぎゅっと詰まっています。

    最初は近所の喫茶店でこじんまりとおしえていましたが、もっと対象を広くしたいと思い、ストアカに登録しました。

ひとから感謝されることが、おしえる一番の喜び

  • ストアカのようなWEB上のサービスを使うことに抵抗はありましたか?

    長年、パソコン教室をやっていることもあって、さまざまなWEBサービスを利用することへの抵抗はまったくありません。折り紙ピアスもネット上で販売しています。

    たまたまネットで検索してストアカの存在を知りましたが、初心者にも使いやすいシステムだと思います。登録時よりも、講座内容に何らかのオリジナリティをもたらせていくこと、つまり登録後の工夫が大切だと感じています。

     

    草玩具の講座で作ったバッタ。足や触覚がとてもリアル

  • WEBを通じて、講座を「広げたい」と思う原動力はどこから来ているのでしょう

    スキルをシェアしたいのはもちろんですが、「来るひとに喜んでもらいたい」という気持ちが強いですね。私がおしえる上で一番嬉しいのは、ひとから感謝されることなんです。普通に生活していたら「ありがとう」と言われる機会はそうそうありませんからね。

  • “小さなありがとう”の積み重ねがモチベーションにつながる感じでしょうか

    まさにそうですね。

    加えて「おしえる」ことの利点は、在庫(アイデア、知識)を頭の中に持てること。ものを売る場合は、在庫(商品)を多く持つとリスクにつながりますが、先生は在庫、すなわちアイデアや知識を持てば持つほど、厚みのある講座へつながるわけです。

  • おしえるようになってから、ご自身の中で変化したことはありますか?

    ひととのつながりや生きがいができ、豊かで楽しい日々を過ごせています。もともと私は動き続けていないと、生きた心地がしないタイプなので(笑)

歳を重ねれば、おのずとスキルは増える 謙遜せずにシェアしてほしい

  • 同世代の友人や知人から「安田さんのようにおしえてみたい」というような相談を受けることはありますか?

    残念ながらありません。私の周りにもパッチワークや小物づくりなど、シェアできるスキルをお持ちの方はたくさんいるのに、いざ背中を押そうとすると「私なんて」と謙遜してしまうケースが多いです。日本人がもともと持つ謙遜の美学からなのでしょうが、非常にもったいないことです。

  • どうしたら、先生になるための第一歩を踏み出せると思いますか?

    歳を重ねていけば、自然と何らかのスキルは身についているものです。まずご自身の中でスキルの棚卸しをしていただきたいですね。それから、周囲の目を気にせず、少しだけ「自分勝手」になってみてもいいのではないでしょうか。

    私も今は「やれることをやれるうちに」という気持ちで、自由に、好き勝手にやっています。

    自分のことを自分で決めて行動するって本当に楽しいですよ。

     

  • 安田さん、素敵なお話をありがとうございました!

     

     

    編集後記:取材に伺ったのは、ストアカの講座にも使われているパソコン教室。清潔感あふれる室内に、安田さんの受講者への心遣いを感じました。

    「おしえる」以外にも、地域のボランティアや国内外への旅行など活動的な毎日を送っている安田さん。まさに、理想のセカンドライフを過ごされていらっしゃいます。お話を聞きながら、確かな時間の費やし方を学ばせてもらいました。


  • 先生のプロフィール

    安田享祐

    安田享祐さん(Kyosuke Yasuda )

    手作業好き、放浪旅好きのお爺さんです。
    「折り鶴ピアス」をネット販売しています。
    http://orizurupiasu.thebase.in
     草玩具やストローアート、折り紙を作って、フリマに出したり、子どもたちに教えたりしています。
    世界一周旅、自転車やバイクで日本一周、四国のお遍路をしたりしました。手作業の技のおかげで、外国でも言葉の壁を乗り越えて、現地の人たちと交流できました。

先生の教えている講座

講座 草玩具の王様「草バッタ」を編む
受講料 1000円(60分)
定員数 2名
申し込み https://www.street-academy.com/myclass/33527

※2019年01月11日現在の情報です。

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