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STORY

糸島と東京、デュアルライフを体現しながら、WEBを通じてコミュニティを広げたい WEBコンサルタント|Motohiro Fukuda
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先生のプロフィール
福田 基広さん(Motohiro Fukuda)
WEBコンサルタント。法人や個人のWEBマーケティングを手がけ、経済産業省による中小企業支援のための専門家としても活動。その他、「楽しく、分かりやすく」をモットーに、WEBメディアを中心としたマーケティングを学ぶオンラインスクール「#selfmedia」を主催。得意分野はマーケティング、メディアのプロデュース。
2015年から「時間と住む場所にとらわれないライフスタイル」を追求するため、住み慣れた東京を離れ、福岡県にある半島、糸島市に夫婦で移住。
糸島と東京という異なる環境を行き来するデュアルライフを体現しながら、WEBメディアのプロデュースやアドバイザーとして、福岡県での活動も徐々に広げている。
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目次
- 好きなものにのめり込み、東京に憧れた10代
- インターネットの世界に飛び込み、WEBコンサルタントとして独立
- 東京を離れ、福岡県の半島、糸島へ移住
- ひとつのことにとらわれず、面白いと思う仕事を広げていきたい
取材・文:吉田明子(ライター)
糸島の写真提供:福田 基広さん関連タグ
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福岡と東京で、講座を募集するとすぐに満席となるWEBコンサルタントの福田基広さん。
講座のテーマは、現在世界一のアクティブユーザー数を誇るSNSである「インスタグラム」マーケティング。
講座の人気の秘訣、さらに、福岡県の半島、糸島に移住した理由とは?
独立するまでの紆余曲折、デュアルライフ、インスタの次にブームになりそうなSNSに至るまで、気になるあれこれを伺いました。
好きなものにのめり込み、東京に憧れた10代
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現在に至るまで、さまざまな職歴を重ねられているそうですが、ご出身地や上京するまでの過程について教えてください
生まれは栃木県、9歳から20歳で上京するまでは富山県富山市で育ちました。
子供の頃から、インドア派。ゲームと漫画が大好きな少年でした。
性格はマイペース、自分が好きな分野を掘り下げるタイプで、ゲームは同じソフトを何回もクリアしたり、漫画も同じ作品を何度も読み込んで台詞も全部覚えたりしていましたね。
中学2年生のとき、ビースティ・ボーイズというラップアーティストのプロモーションビデオを目にし、彼らの斬新なプレイに衝撃を受け、ヒップホップの世界にハマりました。
自分は、ラッパーよりもバックで支えているDJがカッコイイなと思い、ターンテーブルを購入し、時間さえあればレコードを回すように。
高校3年生のとき、高校生が参加できるクラブイベントを仲間と一緒に主催したところ、400人以上のお客さんが集まって。そこで初めて、集客をすれば売り上げが立つという商売の仕組みを知りました。その活動が、ビジネスの面白さを体験した原点かもしれないですね。
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当時は、音楽で食べていきたいと思っていたのですか?
はい。高校卒業後、しばらく地元の老舗のホテルでバーテンダーのバイトをしながら暮らしてました。そこで地元の企業経営者の方と知り合い、色々な話を聞いて、選択肢が多くて憧れだった東京へ行くことに決めました。
東京には、働きたいと思える会社がたくさんありました。最終的には好きで着ていたアパレルブランドの「ア ベイシング エイプ」の横浜店のオープニングスタッフとして働くことになりました。当時は、裏原宿ブームで、毎日、お店の前に行列ができて、忙しくも充実した販売員生活でしたね。その後、原宿店、渋谷店を経て、新宿の伊勢丹店で2年間マネージャーを経験しました。
そこで、同じフロアの別のブランドで働いていた妻と出会い、28歳で結婚したのを機に、家族を養っていきたいという思いが芽生えて、ステップアップのために転職することを決意しました。
インターネットの世界に飛び込み、WEBコンサルタントとして独立
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その後、楽天に転職されたとのことですが、なぜアパレル業界から未経験のIT業界へ?
実は、学生時代からインターネットを見るのもすごく好きでした。掲示板メディアやブログの創生期から、ずっとチェックしていたんですよね。
漠然とネットの世界に可能性を感じていたので、ITを商材として扱っている企業で働きたいと思って転職活動をしていました。ちょうどその頃、楽天が新規事業立ち上げのため、学歴不問で営業マンを募集していたタイミングだったんです。
僕は大学に行っていなかったので、これはチャンスだと思い面接を受けたところ、運よく採用してもらったんです。
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入社後は、どのような業務を担当されたのですか?
入社後配属されたのは、当時の飲食部門の中でいちばん泥臭い部署で、ECサイトの出稿やカードの契約などの法人営業をしていました。
外回りは銀座・六本木エリア担当で、ほぼアポなし。これまでは、行列ができるブランドや有名な百貨店でお客様を迎え入れる立場だったけれど、営業する立場になって、営業先の方から怒鳴られるなどつらい思いをしたこともありましたね。
ただ、その経験でハートを鍛えられたからこそ、後に独立できたんだと思います。
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新たに身につけたスキルはありますか?
改めて、仕事においては、“人間力”が重要ということを学びました。
営業に行ったら、入り口は会社の名前を背負っていても、話し始めたら僕個人とお客さんとの関係性になる。
ちょうどその頃、将来の独立を視野に入れ、個人的にWEBマーケティングやSNSを学び始めたタイミングだったので、お客さんとの雑談の中で、お店のホームページやブログ、SNSについてのアドバイスをするようになりました。すると、とても感謝されて。自分が今学んでいるものは、困っている人に貢献できるものなんだと、自信がついたんですよね。
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その後、30歳で独立したきっかけは何だったのですか?
僕がいた部署が社内でも花形の大きな部署に吸収されることになったのですが、そこでの担当は、朝から晩まで机に座っての電話営業。楽しさが感じられず、異動して3日目で「辞めよう」と思い、独立に踏みきることにしました。
その後半年くらい働きながら、それまで触れてこなかった、デザインや広告マーケティングの本などを読んで猛勉強し、得た知識をWEBサイトの作成やブログアフィリエイトでアウトプットしていました。
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ご自身が作ったものに手応えは感じられていたのですか?
その頃、営業マンのための成績を伸ばすハウツーを書いたブログを立ち上げたところ、月に1万~2万程度のアクセス数を稼ぎ、来訪者からのコメントでも感謝されるようになりました。
さらに、店舗のWEBコンサルタントなどのお話もいただくようになり、「WEBサイトを作って広告バナーを貼る」、それだけがWEBで収益を上げる手法のすべてではないんだと、知って。企業や個人に自分の知識を伝えることで、フィーをいただく、それでやっていくこともできそうだなと。“学びを伝える”ことが仕事になるんだと、気づいたんですよね。
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楽天を辞めて独立した後は、すぐに軌道に乗ったのですか?
正直ずっと生活していけるだけの収入はまだ稼げていなかったので、知人のWEBコンサルティング会社の手伝いをさせてもらっていました。
ただ、その会社の事業内容は、心からやりたいことではなくて。お客様に提案する内容には違和感がありました。
「東京って欲がうずまいている場所なんだな」と感じることも多く、心身ともに疲弊してしまったんです。
綺麗ごとかもしれないですが、僕は、商品やサービスを通じて、1人でも多く満足させるためにはどうしたらいいかということを突き詰めていけば、お金は後からついてくるという考え方がしっくりきます。
東京を離れ、福岡県の半島、糸島へ移住
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その後、糸島へ夫婦で移住されたきっかけは何だったのですか?
今の環境や人間関係を整理したいと思っていた頃、近所のカフェに行ったんです。
そのカフェは、美味しい食事とオーガニックな商品や上質なものを扱っていて、とても落ち着く空間でした
実は、そのカフェのオーナーさんが糸島に移住されていて、お店のメニューには糸島産の食材が。そこで初めて、糸島の存在を知りました。
ちょうどその頃、「パソコンがあってネットさえつながれば、東京以外の場所に住むのもいいよね」と、移住先を探し始めたタイミングだったんです。妻が「糸島は、福岡県にある半島らしいよ」と調べてくれて、休暇がてら旅行しようという流れに。
素敵なカフェのオーナーさんが移住されたところだから、きっといい場所なんだろうという思いと、福岡空港から電車で約30分というアクセスのよさにも惹かれました。
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初めて糸島を訪れたときの印象は、いかがでしたか?
場所以上に人が魅力的でした。お店の方たちにしても、ご自身が営んでいる事業をお金を抜きにして、好きだからやっている人ばかりだったんですよね。
そんな糸島の魅力的な人たちに出会って、潜在的に自分が求めていたものに気づいたというか。滞在2日目には、物件を探していました。
そして、2か月後の2015年8月に糸島に移住。2016年には、#selfmediaという個人、企業様向けのオンラインスクールを立ち上げました。今はその運営と、企業のオウンドメディアやWEBマーケティングのコンサルティングが仕事の2本柱です。
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移住に興味がある方へのアドバイスをいただけますか?
僕は東京に疲れたと言いましたが、主要都市があるおかげで日本は回っているし、そういった場所での経験は必要だと思っています。
でも、もし自分が今いる場所に違和感があったり、次のステップに進みたいなと感じたときは、例えば実家に帰るとか、興味があった地域に移るのも、ひとつの手段なのでは。“環境”と“周囲にいる人”はとても大事。自分が過ごしやすい場所で生きると、日々の生活が楽しくなるし、アイディアも湧いてくると思いますね。
もし主要都市への移動が頻繁にあるようでしたら、移住先を選ぶときのポイントは、その都市へのアクセス方法、時間、費用でしょうか。
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ストアカで教えるようになった経緯について教えてください
糸島での生活が落ち着いた頃、ストアカ主催のコンテンツマーケティングの講座が福岡市内であり、受講者として申し込んだんです。
講座は、福岡でも有名な企業や新聞社の方がたくさん参加されて盛況でした。その様子を目の当たりにして、“日本のシリコンバレー”を目指して、プログラマーの育成事業、起業家支援に力を入れている福岡市で、人脈を広げて仕事をするのも面白そうだなと感じたんですよね。
その数か月後、ストアカから「博多マルイとのコラボ企画のWEB講座で講師をしてくれる方を探しています」という連絡があり、これはチャンスだと感じ、すぐに立候補をして仲間に入れもらうことになりました。
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名乗りを上げていただいたストアカの講座。始められてからはいかがですか?
どんなテーマにしたら集客できるかと考え、今いちばん注目されているSNSであるインスタグラムを選びました。僕自身はインスタグラマーではなく、あくまでもWEBにおけるマーケティング手法のひとつとしてインスタを題材にしています。
それから1年間毎月1~2回、講座を続けていますが、おかげさまで毎回ほぼ満席で、たくさんの方に受講いただいています。
受講者の方に満足していただけるように、講座内容も毎回ブラッシュアップしているので、「面白かった」「先生が話しやすい」と褒めていただくと、とてもうれしいです。
少人数だからこそ、自己紹介を含め色々な話をして、終わった後にも交流するなど、人としてのお付き合いができるのも楽しいですね。
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現在はインスタグラム全盛期ですが、次に流行しそうなSNSはどのようなものだと思われますか?
恐らく、流れとして来るのが、イージーで会話に近いSNS。インスタグラムがきっかけで、よりリアルな情報を得たい人が増えてきているので、今この瞬間を切り取ったようなリアルを発信できるSNSが出てくるのではと、予想しています。
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おすすめのネットデトックスやSNS疲れを解消する方法があれば教えてください
情報にも、食べ物で例えるなら、オーガニックなものとジャンクなものがあります。おすすめなのは、自分が摂取する情報とネットに触れる時間を決めてしまうこと。100個ジャンクな情報を見るなら、ひとつ良質な情報に触れたほうがいい。
僕は、1日の中でインターネットやSNSに触れる時間を決めていて、その時には「ほぼ日刊イトイ新聞」を見ることが多いですね。
ひとつのことにとらわれず、面白いと思う仕事を広げていきたい
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今後の展望について教えてください
WEBの仕事面では、大きな案件も受けられるように、秋に会社組織をつくる予定です。
「DJで食べていく!」と思っていた10代の頃から夢だった、音楽に携わる仕事がWEBを通じて始まったんです。
野外フェスの運営をしている企業のオウンドメディアのお手伝いをさせていただき、大好きな音楽に携わることができ、いま新たな刺激と興奮を味わっています。
さらに、今年の秋には、糸島に小さなお店を開く予定です。軽食もできる雑貨屋で、コーヒーや、福岡県内でも美味しいと評判の糸島産の食材、僕と妻が好きなものなどを扱いたいと思っています。
元々は、打ち合わせができる事務所を探していたのですが、「場所があるなら自分たちが好きな食材や雑貨も置けたら面白いよね」という話になり…。
店内で映画の上映会やトークイベントなども開催できたらなと思っています。今、楽しみながら準備中です。
東京時代からのクライアントのサポートをしながら、糸島では面白い事業を始め、福岡ではストアカさんを通じてWEBスキルをお伝えする、今いちばん仕事が楽しいですね。
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福田さん、どうもありがとうございました!
編集後記:
インタビューでは、静かに熱い思いを語ってくださった福田さん。「クライアントひとりひとりに沿ったコンサルティングを提案し、必ず結果を出したい」という言葉が印象的でした。一方、SNSでのやりとりでは可愛らしい絵文字を欠かさず、ほっこりさせられることも。奥様と猫を愛する、頼りがいのある先生です!
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先生のプロフィール
福田 基広さん(Motohiro Fukuda)
WEBコンサルタント。法人や個人のWEBマーケティングを手がけ、経済産業省による中小企業支援のための専門家としても活動。その他、「楽しく、分かりやすく」をモットーに、WEBメディアを中心としたマーケティングを学ぶオンラインスクール「#selfmedia」を主催。得意分野はマーケティング、メディアのプロデュース。
2015年から「時間と住む場所にとらわれないライフスタイル」を追求するため、住み慣れた東京を離れ、福岡県にある半島、糸島市に夫婦で移住。
糸島と東京という異なる環境を行き来するデュアルライフを体現しながら、WEBメディアのプロデュースやアドバイザーとして、福岡県での活動も徐々に広げている。
先生の教えている講座
講座 | 『【博多マルイ開催】スマホ1台1000いいね!インスタグラム講座』 |
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受講料 | 3000円(120分) |
定員数 | 9名 |
申し込み | https://www.street-academy.com/myclass/11896 |