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  〝写真〟も〝教える〟も大好きな理系男子がフォトグラファーを目指したら

〝写真〟も〝教える〟も大好きな理系男子がフォトグラファーを目指したら フォトグラファー/studio9 代表|Kazuo Nakahara

  • カメラの進化により、今や生活の一部となりつつある〝写真〟。それは記録として私たちの思い出を彩るだけではなく、これから見る世界をもっと輝かせるための新たな視点にもなります。今回は、そんな写真の楽しみ方を提供してくれるフォトグラファー、中原一雄さんにインタビューさせて頂きました!

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  • 中原さんは、ストリートアカデミー初の”プラチナティーチャー”。人気・実績ともにNo.1、大活躍中の先生です。ストアカでは教えた人数や開催回数などから実績のある先生にバッジを授与しています。現在は、プラチナ・ゴールド・シルバーのバッジがあり、バッジを獲得した先生のプロフィール欄に表示がされています。
  • こんにちは!本日は宜しくお願い致します。まずは、現在のお仕事とご活動について教えて下さい

    フォトグラファーとして撮影のお仕事をしつつ、写真のワークショップを行っています。ワークショップは2012年9月頃から、一般の方に写真の楽しさを伝えるために始めました。写真教室、というよりも、ステップアップ講座のような初級~中級者向けのワークショップです。

形のないものを形にする写真

  • どういった経緯でフォトグラファーとしての道を歩まれたのでしょうか?

    もともと写真とは、全く関係のない道を歩んでいました。僕は生まれも育ちも北海道で、大学では工学部を専攻したバリバリの理系(笑)。大学院まで進学し、化学メーカーで研究開発の仕事に就きました。けれど、研究開発の仕事を3年続けて、疑問を抱いたんです。ものづくりは好きですし、なにより日本の誇るべき産業ですが、じゃあ、この研究を自分がこのまま30年40年やっていけるか、と考えた時にこれからはそういう世界にはならないだろう、となんとなく思えて。形のあるものを作ってそれを売るビジネスではなく、形のない人の成長や喜び、幸せを形にするようなことがしたいと思いました。それから色々考えて、写真だったら自分でもできるんじゃないか、と思い立ちフォトグラファーとしての道を歩み出しました。

  • 全く異なる分野からフォトグラファーへ転身されたんですね!では、そこからワークショップを始めたきっかけはなんだったのでしょうか?

    僕はフォトグラファーになると決めた段階で、いわゆる既存の業界にぶら下がるような仕事はメインの仕事にしないと決めていました。今は機能の良いカメラがあり、一般の方でもきれいな写真を撮れるようになってきています。そういった現状により、写真業界は本当に一部のトッププロだけが生き残る、厳しい世界になりました。トッププロの写真と比べたら、僕の写真が負けるのはわかっていたんです。ですので、切り口を変えて自分は広告写真ではなく、一般の方に向けた写真のサービスをしようと考えました。僕が撮るのではなく、一般の人がもっと上手に写真を撮れるようにしてあげたら良いのではないだろうか、そう思ったんです。よく観光地で良いカメラを持っている人を見かけるのですが、それを完璧に使いこなせているところはほとんど見受けられません。

目指したのは一般向けのフォトグラファー

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  • 写真の勉強はもともとされていたのですか?

    あまり人には話してこなかったのですが、初めてカメラを手にしたのは2009年の終りくらい。それで、プロになる宣言をしたのが2012年の始めくらいでした。実は2年と少しの写真経験で、フォトグラファーとしての仕事を始めました。カメラは、就職してから購入し、始めは本当に個人的な趣味でした。趣味の頃の勉強は、ほぼ独学です。本を読んだり、インターネットの情報を漁ったりして勉強していました。プロになる決意をして、仕事をしながら専門学校に通い、知識や理解をさらに深めていき、準備を始めました。専門学校を卒業してからは、浜松にある写真館で修行をし、そこでは結婚式や七五三、各種イベントをメインにしていました。独学で学んだことや専門学校で得た知識から、カメラの技術に関しては自信を持っていたのですが、やはり技術以外の重要な部分、会場の方とのコミュニケーションのとり方や各種イベントの担当者が本当に望むカットだったり、それらは現場でしか学べないものなので、技術以外のビジネスに必要な要素を学ぶことができたのはとても大きかったですね。

  • 全く違う分野への挑戦に不安はありましたか?

    会社を辞めて新しいことを始めた段階で、「なるようになる」と割り切っていました。始めはうまくいかないのはわかっている、2年3年頑張って駄目だったら化学の分野へ戻ろう、そんな風に考えていました。

  • フォトグラファーとしての初めてのお仕事について教えて下さい!

    フリーランスでの初めての仕事は、友人の結婚式でした。結婚式の写真は、写真館でも経験がありましたが、やはり一人でやると色々と大変でした(笑)。そこで写真を撮る自分の姿をみた結婚式場のスタッフの方に、「こんなに一生懸命撮っている人は初めて見た」と声を掛けられ、次の仕事の依頼を頂きました。そのように人伝に仕事の依頼を頂くケースが多く、順調なスタートでした。

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  • 中原さんにとって、写真の魅力とは一体なんですか?

    自分にしか見えていないものを形にできるところです。何気なく撮った写真でも、その時を思い出す大切な一枚になったりしますよね。しかも、カメラが使えるようになると、自分だけの風景をより魅力的に一枚の写真へ落とし込み、宝物にすることができるんです。空の色や街、道路や子どもの表情…ものの見え方は人それぞれですし、自分のその日の気分によっても違って見えます。

〝面白い体験〟と〝明確な成果〟が写真にハマるきっかけに

  • 〝写真〟も〝教える〟も大好きな理系男子がフォトグラファーを目指したら
  • では、初めてのワークショップはどういった内容のものでしたか?

    初めてのワークショップは、京都で開催しました。その頃、僕の拠点はまだ浜松でしたが、たまたま京都のおすすめスポットをガイドしてくれる知人がおりまして、画になる風景も多いということで決めました。参加者の多くは地元の方でした。地元の方は、観光地として有名な京都を生活の場として見ています。そんな見知った場所や物の気付かなかった面白いスポットを切り取ることが写真のひとつの醍醐味ともいえます。ですから、京都のメジャースポットではなく、ずっと身近なスポットをピックアップして、それをどういった視点で見るか、それにはどんな撮り方があるのか、をレクチャーしていきました。他のワークショップでもそのようなレクチャーをしているのですが、知っている風景を違った視点で見るのは、非常に面白い体験になります。そういった面白い体験をして、多くの生徒さんがリピーターになって下さっています。京都では毎回参加してくれる生徒さんもいらっしゃいます。現在の参加者リピート率は50%を越えているんじゃないかと思います。

  • 中原さんが教えるとき、気を付けていることやポイントはあるのでしょうか?

    できるだけテーマや参加者のレベルを絞るようにしています。ワークショップを始めた当初は、集客が心配でとにかく色んな参加者を集ったのですが、そういったワークショップだと、いまいち生徒さんの満足度が上がりません。テーマなり参加者のレベルなりを設定すると、教える側も教えることを絞れますし、生徒さん側も今日はこれができた、と明確な成果を得ることができます。テーマや参加者のレベル以外にも、写真は場所や時間でも絞れます。例えば、猫カフェを貸し切って猫を被写体にして撮るとか、夜の東京タワーで夜景スナップにこだわって撮るとか。生徒さんが成果をきちんと得られると、生徒さん自身が自分の成長を感じることができて、どんどん写真が楽しくなります。それがモチベーションにもなって、次はこういう写真を撮りたい!と僕が言わなくても提案して下さいます。そして、写真にハマっていくんですね。

    あとは喋りすぎないことです!僕は教えたがりで、質問があるとどんどん答えてしまうんです。でも、ワークショップの時間は2時間。人間の記憶に残ることは限られています。この2時間はこれだけ、と決めて集中して教えるように心掛けています。それでも、教え過ぎてしまうことはありますが(笑)。

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  • 複数の生徒さんと向き合うグループレッスンが主のワークショップですが、一人一人の生徒さんとどのように関わるようにしていますか?

    個人個人に最適化して教えていくには、多くても10人。初心者向けワークショップであれば6人くらいが限度。あまり生徒さんの人数は増やせません。始めに全体的な説明をしてから、個人で撮る自由な時間に一人一人の生徒さんに声を掛けて個別の質問を頂いています。そういったコミュニケーションが取れるように少人数制にはこだわっていますね。

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  • 大きい写真教室のレッスンや撮影会などは、30人40人くらいの生徒数です。始めに少し説明があって撮影時間が設けられ、最後に先生からの講評があるのが一般的です。こういった形式ですと、僕には少し物足りなく感じられます。もらった講評を活かしたいのに、活かす時間は設けられておらず、次回も参加しないと学んだことを得ることができません。僕のワークショップでは、途中で生徒さんが撮った写真を見せ合う時間を設けて、こういう撮り方もあったんだ、と気付きを得ることができる時間を作りました。そして、それを活かした写真をまた撮ってきてもらいます。実際、僕自身も生徒さんから、学ぶこと・気づかされることも多く、大事な時間だと感じています。

ワークショップ開催のためのノウハウ

  • ワークショップを開催する前、事前に行っていたことはありますか?

    これまでは会社の看板を背負って仕事をしていましたが、独立をしてそういったものがすべてなくなりました。僕は有名ではありません。ですから、まずは自分が怪しい人間ではないこと、また、参加してくれれば必ず良いものを教えられること、それが人に伝わるように意識して情報発信をし続けました。主に情報発信はブログで行っていました。読み手やその先にいる参加者を想定して自分の記事を書き、現在では20万PV月間までに成長しました。ちなみに、初期の頃から集客はすべてネットに限定しています。

  • まさに、マーケティングの戦略ですね。ここまでの人気ブログに育て上げた秘訣は何だったのでしょうか。

    ブログはコンテンツが命です。インターネットには色々な写真の情報が溢れていますが、どれが正しいのかわからず、特に写真業界は質の良いものが少ないように感じられます。写真を勉強するなら本を買うしかありませんでした。お金を出して本を買うくらい、質の高い情報をブログに揃えるように心掛けました。載せる写真も読み手がキャッチしやすいものや、みんなが撮りたいと考えている写真を厳選しました。現在の更新状況は週に1回程度ですが、始めは、頻度を高くすることを心掛け、情報発信していましたね。

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  • 今までに先生として教えた経験はありましたか?

    大学時代に6年間塾の講師をしていました。下は小学生から上は大学生受験生まで、幅広い年代の方に分野問わず教える経験をしていました。もともと教えることは好きですね。一見難しそうなことでも、問題をほぐして話をすると「わかった!」と理解してくれる。昔からそういったことを嬉しいと感じていました。

  • 中原さんにとって教えるとはなんでしょうか?また、何か得られることはありますか?

    教えることは、自分の持っている能力を誰かとシェアすることかな、って思います。一緒に楽しくやろうよ!って(笑)。僕自身も人に教えることで新たな気付きを得て、成長していくことができています。説明の仕方を変えたら生徒さんの理解が深まってより良い説明の仕方を見出せたり、写真においても、こういう撮り方や捉え方があったのか!と生徒さんから学ぶことが多くあります。

  • ストリートアカデミーを使うメリットはなんですか?

    履歴や人数、感想が残るため、証明のように実績が残るところが良いと思います。また、参加者の管理は集客の次に大変な作業とも言えますが、グループメッセージなどの機能があり便利ですよね。1度参加した興味ある講座が次の開催日程を追加すると、生徒さんに自動でお知らせを送る機能があるので、講師側もリピーターさんを非常に繋ぎやすいです。

  • 今後、中原さんが目指す方向性を教えて下さい。

    写真を撮る人の輪を広げていきたいと考えています。僕のように写真を教える仲間が増えれば、より輪が広がるので、仲間作りにも力を入れていきたいです。

    もっと大きな野望としては、「みんながプロ並みの写真を撮れるような世界を作りたい!」 こんなことをいうと、プロのカメラマンさんには、怒られてしまうかもしれません(笑)。でも、プロにはプロにしか撮れない写真が絶対あります。フォトグラファーに限らず、今の技術職は厳しい立場に立たされている人が多いと思うんです。スキルをきちんと持つ人に正当な対価が支払われる、そんな世の中にしていきたいんです。

  • 最後にこれから先生デビューを考えている皆さんへメッセージをお願いします!

    試しにやってみることが一番です!得意なことをどんどん情報発信して自分のファンをつくり、ワークショップ開催への土台を作って下さい。どんなマニアックなことでも好きな人は必ずいます。そこで情報の出し惜しみをしないこと。すでに、ブログでやっているような内容でも試しにワークショップを行えば、同じものを好きな人と人との交流が生まれます。そういった場を提供するだけでも十分に価値があります。

  • 〝写真〟も〝教える〟も大好きな理系男子がフォトグラファーを目指したら
  • 「今日は丸腰で来てしまいました…」と気さくな雰囲気でインタビューに応じて下さった中原さん。2ページ目の文末にある写真は、インタビュー中に撮影して頂いた公園の写真です。素敵な写真とお話をありがとうございました!


  • 先生のプロフィール

    中原 一雄

    中原 一雄さん(Kazuo Nakahara)

    北海道生まれ。中高大までは理系一筋の理系男子(有機化学 修士)。
    卒業後、メーカーの研究職として勤務するもモノではなくカタチの無い新しい価値観を世の中に提供したいと考え、写真の道に。
    バンタンデザイン研究所 フォトグラフィー専攻卒業。
    初心者向けのワークショップやウェディング、各種イベント、広告写真を中心に活動中。

先生の教えている講座

※2013年12月10日現在の情報です。

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