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STORY

大切な肌や健康寿命を考えるきっかけをスムージーから スムージーの伝道師|Chiharu Saito
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先生のプロフィール
斉藤知春さん(Chiharu Saito)
10代の頃からアトピーやアレルギー、突発性の発疹に悩み、複数の病院の皮膚科に通うも完治せず、自分で克服する方法を模索し、ついに自然療法に行きつく。
2013年ANAを退職後、酵素栄養学とナチュラルフードを学ぶ。現在、九州大学医学部や薬学部、栄養学専門の名誉教授の指導を受け「人間本来の治癒力を高める」という活動を展開中。
また、大田区池上総合病院のメディカルカフェにおいてスムージーのレシピ開発に携わっている。
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“スムージーの伝道師”としてストリートアカデミーでも人気講座を持つ斉藤知春さん。ご自身の美肌と輝く笑顔が、その効能をより説得力を持って伝えています。そんな斉藤さんがこれまで辿ってきた軌跡は、意外にも紆余曲折に満ちたものでした。
フルーツ嫌いの少女時代
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まず、斉藤さんがスムージーと出会ったきっかけについて教えてください
もともと肌が弱く、高校1年生の頃からアトピー性皮膚炎や突発性発疹、アレルギーに悩まされてきました。鏡を見るのも憂鬱で化粧もしたくなくなるほどで、治そうという思いで塗り薬や飲み薬など、人から勧められたものは一通り試してみました。そうするうちにたどり着いたのが、漢方などに代表される“自然のもの”でした。中でも一番簡単だったのが、食事改善でした。それを続けるうちにだんだん肌の状態が良くなっていきました。
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それは大変ですね。ちなみにその当時の食生活はどのようなものだったのですか?
実家にいた時は、母が朝ごはんにフルーツを添えてくれていたりしたので、割とバランス取れた食生活ができていました。その頃から既に皮膚のトラブルを抱えてはいましたが、ひどくなったのは社会人になってからです。 憧れて入社した航空会社で、羽田空港に配属されました。地上職スタッフとして、短時間での判断と大きな責任を伴う仕事をしていました。 一方で勤務時間は不規則で、夜中の3時起床ということもよくありました。実家にいた時に比べて食生活もおろそかになり、朝食は菓子パンだけでフルーツも無し。昼食は丼物。仕事で疲れた後の夕食は、簡単に食べられるパンや外で買うお惣菜など。野菜も積極的には食べていませんでしたし、フルーツはどちらかというと嫌いでした。今から思うと実家で母から毎朝出されていたフルーツも、義務感で無理やり食べてましたね。
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なんと、食生活改善を伝えていらっしゃる今の斉藤さんからは想像できませんね(笑)。
そんな生活を送った結果、ある年に受けた健康診断で、脂質異常症、つまり血液中にふくまれるコレステロールや中性脂肪などの脂質が、一定の基準よりも多い状態にあると診断されました。 「これはまずい!」と思った私は、体質改善のために食や健康の情報を集め始めました。その時たまたま見つけた酵素ライセンスに興味を持ち、資格取得に向けて勉強をしていた時にスムージーと出会いました。すぐにミキサーを買い、スムージーを作り始めました。
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スムージーにするとどういった変化がありましたか?
不思議なことに、スムージーにするとあんなに嫌だったフルーツも抵抗なく摂取できたんです。スムージーは味が美味しい上に、色々な組み合わせを試すことができるので、その楽しさにもハマりました。しかもスムージーを飲むと「腸がデトックスされている!」という実感が湧くんです(笑)。
不規則な勤務体系は続いていましたが、朝ご飯をスムージーに変え、昼食や夕食にも少しずつ野菜を加えていった結果、翌年に受けた健康診断では、中性脂肪の数値が前回の約半分まで改善しました。「人間の体って、日頃の食事にこれほどまでに正直に反応するんだ」と痛感しました。その後、酵素栄養学を本格的に学び、私自身のカラダの悩みが緩和されたメカニズムも分かるようになり、益々スムージーのパワーに魅了されていきました。
病と闘う父、そして家族
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実は、食事に気を遣うようになったきっかけがもう一つありました。私が小学4年生の頃から心筋梗塞と動脈硬化を患い、ずっと入退院を繰り返していた父です。症状は年々悪化し、ある時はお医者さんから「あと半年の命かもしれないので、覚悟してください」とまで言われました。しかも母まで父のお見舞いに行く途中で交通事故に遭ってしまい、一時期は両親が同じ時期に入院していたこともありました。 その時に思いました。「病気になったら本人はもちろん辛い。でも周囲に与える影響も大きいんだ」と。周りの人たちの支えがあってこそ、乗り切ることができました。幸いなことに父は、今では車を運転できるほどに回復しています。
「伝える」を仕事に独立
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その後、スムージーは斉藤さんにとってどのような存在になって行きましたか
だんだんとスムージーへのこだわりが高じて、レシピ開発や普及活動にも手を染めるようになりました。もちろん仕事の合間にです。航空業界は私の憧れでしたから、当初は辞めることなど全く考えていませんでしたが、ワークライフバランスについては考えるようになりました。
そんな頃、自分で作ったスムージーを写真に撮ってFacebookにアップすることを始めました。軽い気持ちで発信してみたんですが、投稿すると「どうやって作るんですか?」という質問が多く来るようになりました。世の中にはスムージーで使う食材の組み合わせに迷う人も結構いるんだなと気づかされ、とても新鮮でした。それを皮切りに、それまで作っていたスムージーのレシピを出し惜しみせずにどんどん公開することにしました。
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なるほど。そしてそれを「仕事にしよう」と決断するまでには更に何かきっかけがあったのでしょうか
はい。ちょうどその頃、フードコーディネーターとして活躍している國塩亜矢子さんなど、食の世界で輝いている女性の方々と何名か出会う機会に恵まれました。 各々ご自身の特性を生かして仕事をして輝いている方々で、人間としてとても魅力的に感じ、私も自分で何かを伝えていく活動をしたい!と思うきっかけになりました。
それまでの自分の人生を振り返ると、アトピーや家族のことなど辛いことが多かったのですが、ひょっとしたらこれらの試練が私の財産であり、強みにもなるのではないかしら・・・20代で経験したあらゆることを30代で生かすことで、新たな道が開けるのでは、そんな想いを抱くようになりました。
2013年に航空会社を退社し、美容関係の会社でエステサロンの立ち上げをお手伝いしながら、スムージーの普及に向けて動き始めました。独立には不安もありましたけど、「私が抱えてきたマイナスを、すべてプラスに変えられる仕事に出会えた。だからもう悩まなくていいんだ」という喜びの方が大きく、毎日笑顔で過ごせるようになりました。
伝えることが私の“使命”
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ストリートアカデミーで講座を持つようになったきっかけは何ですか?
私が昔、酵素栄養学を学ばせて頂いたことのある協会がストリートアカデミーさんとコラボするというお話が持ち上がり、その時に協会出身の初のストアカ講師として講座を開設してみませんかというお誘いを頂きました。 そして初クラスを告知し、開催してみたんですが、なんと初回の生徒さんは女性が2名だけでした。少し心が折れそうになりましたが(笑)、講座は無事に開催することができました。
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教えてみた感想はいかがでした?課題などはありましたか?
初回来て下さった方には、酵素栄養学の側面から見たスムージーの効能やスムージーの作り方、使う食材の効能などを伝えたのですが、満足は頂けたようでした。もちろん反省すべき点も沢山見つかりましたし、開催後、自分の中で「うまく伝えられなくて悔しい」という気持ちも芽生えました。
また一つの課題として、国家資格のない私では医学的な内容を話すことができないため、伝えたいことを全部伝えきるのは難しいということも発見しました。それでこういう活動を継続して良いのか自体も悩んだ時期もありました。
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それでも止めずに講義を続けられてきたのは、何がモチベーションになったのでしょうか?
生徒さんから頂いた「時間が過ぎるのがあっという間でした」「知らない情報をたくさん得ることができました」などのフィードバックです。ストリートアカデミーの受講感想や、個人的にいただいたメールなどを拝見して、スムージーの情報を欲しがっている人が沢山いることを実感しました。それで私の中の“使命感”みたいなものが生まれました。医学的な説明になると専門的な内容になってしまうことも、楽しく柔らかく伝えることには価値があるんだと思うようになりました。 未だに人前に立つのは緊張しますが、クラスが終わったあとの生徒さんたちとの交流がすごく楽しいんです。しかも生徒さんの中には、私のクラスのお手伝いをご希望してくださる方もいらして、それもすごく嬉しかったです。
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斉藤さんの過去のストーリーがあるからこそ、説得力を持ってスムージーの効能を伝えられるのではないでしょうか。
それはあると思います。昔の私と同じようにアトピーなど肌の悩みを持つ生徒さんたちと仲良くなり、その人たちと時々食事をしながら肌の調子についてお聞きする。それに私からちょっとしたアドバイスをしてみる。そういうやり取りをするのが大好きです。
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現代の忙しい社会人の方の食生活に関して、何かアドバイスはありますか?
健康志向の人も増えてはいるのですが、忙しく時間が無い方は、どうしてもコンビニ食、ファストフードに頼りがちですよね。それらをゼロにすることは難しいと思うので、きちんとデトックスができる食事のスタイルを確立して、自然な形で習慣付けられればベストだと思います。
例えば、朝食はスムージーだけにする。もしくは沢山食べた日の翌日や、月に2回に身体の事を考えた食事の1日を創るとかでも良いですね。体調の変化が実感できると、楽しくなったり嬉しくなるので、自然と身につくようになります。そうすると嗜好や味覚も変わってくるので、自然にナチュラルな食事を欲する体質になります。
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習慣付けが難しいと仰る方には何か良い方法はありますか?
そういった方には、一度立ち止まってご自身のカラダの事や周囲の大切な家族やご友人について改めて考えてみることをお勧めしています。自分が倒れたらまずどのようなことが起こるか。本人はもちろん苦しいですが、周囲にも大きな影響が派生しますよね。
多くの方は、何気なく過ごしている普段の生活の中で、こう言ったことを考える機会がなかなか無いと思います。ただ、人間が普段の無意識の中で取る行動や思考は、その時の体や心の状態によって大きく変わるんです。そしてその「心や体」の状態は、食事内容が大きく左右します。病気になってから食生活を変えるのではなく、健康なうちに意識して正しい食生活を送って、一度しかない今を悔いなく生きて欲しいと思います。スムージーを作る時や口にした時が、自分に取って大切なことは何かを考えるきっかけとなったら、本当に嬉しいですね。
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最後に、今後の活動を通じて、斉藤さんが伝えていきたいことを教えてください。
「スムージーの手軽さ」と私が経験した「スムージーの効能」を伝えていきたいです。世の中に食に関する情報が無数にある中で、人に対して一番信頼性や説得力を持つのは“個人の実体験”だと思っています。 日本でスムージーを摂る人は以前よりは増えていますが、スムージー人口はまだまだ増える余地があると感じています。スムージーの日常習慣化のハードルとなっているのは、コーヒーなど他の飲み物と比べた際の“原価の高さ”なんです。でもその分、スムージーはあらゆる食材を使って作ることができて、組み合わせの数は無限大です。そんな楽しさや価値をお伝えしたいですね。
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実は、半年ほど前から、ご縁あって大田区にある医療法人松和会池上総合病院内の医憩場(いこいば)メディカフェに、スムージーのレシピ提供をさせていただいています。毎日飲んでくださる人、「おいしいね」って喜んでくださるおばあちゃん、もともと豆乳が好きではないお子さんが「ここのマンゴー豆乳スムージーなら飲めるんです」とおっしゃるママさん、病院食は苦手だけどスムージーなら飲めるという方・・・ そういった方々の姿を見てお話を聞くと私はすごく幸せな気持ちになります。なぜなら私にとってスムージーは、今までの私の人生で経験してきたことが全て凝縮されたものですから。
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先生のプロフィール
斉藤知春さん(Chiharu Saito)
10代の頃からアトピーやアレルギー、突発性の発疹に悩み、複数の病院の皮膚科に通うも完治せず、自分で克服する方法を模索し、ついに自然療法に行きつく。
2013年ANAを退職後、酵素栄養学とナチュラルフードを学ぶ。現在、九州大学医学部や薬学部、栄養学専門の名誉教授の指導を受け「人間本来の治癒力を高める」という活動を展開中。
また、大田区池上総合病院のメディカルカフェにおいてスムージーのレシピ開発に携わっている。
先生の教えている講座
講座 | 『レシピ開発者が伝えたいスムージー〜美肌美腸に導くレッスン〜』 |
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受講料 | 2500円(1時間半) |
定員数 | 10名 |
申し込み | https://www.street-academy.com/myclass/1641 |