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STORY

  魚料理を通じて文化を伝え、人をつないでいく

魚料理を通じて文化を伝え、人をつないでいく 築地で買い付けた魚をそのまま味わう料理教室|Sayuri Kondo

  • ストアカで魚にこだわった料理教室を開いている、人気講師の近藤小百合さん。
    その人気の高さは、生徒数や満足度、レッスンの開催数の多さなどから選ばれる「ストアカアワード2016 MVS(Most Valuable Sensei)」を受賞したことからも分かります。

     

    レッスンの中でも特に人気なのが、築地市場巡りしながらの仕入れとセットになった魚料理の講座。
    一般の人には敷居の高い築地場内に入り、アジア屈指の巨大で熱気に満ちた魚市場を、近藤さんの案内で巡れることが大きな魅力です。素人でも築地市場を存分に楽しめるのは、近藤さんの馴染みの仲卸店を回るから。
    料理教室ではただ料理をつくるだけでなく、食材の背景や文化まで丁寧に教えてくださるので、和食の奥深い世界に触れることができます。

     

    食材の買い付けから料理まで学べるユニークなスタイルの源泉や、魚文化への思いなど、たっぷりお話を伺いました。

日本文化が凝縮された魚の世界

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  • 魚にこだわった料理教室とはユニークですね

     

    3年ほど前、伊勢丹百貨店と契約してシーフードスタイリストとして働いていたことがきっかけです。伊勢丹に魚類を卸している業者さんと一緒に、煮る・焼く・刺身しかない魚のイメージを覆そうという新しい試みで、その日に捕れた魚を調理したり、レシピを提供したりしていました。
    私自身もその仕事を通して、魚の世界がどんどん広がっていきましたね。業者さんから魚の時期や目利きについて教わったり、築地市場で馴染みの店も増えたりしていきました。

  • 魚の魅力とは?

     

    何よりも旬があること。季節と日本の素晴らしさがダイレクトに感じられます。築地を歩くたびに、いつも新しい発見があって、季節の移ろいが目に見えて分かります。旬の魚はうま味があって脂がのっていて、本当に美味しいですしね。日本人はもともと魚食ですから、魚は体に負担も少ない食材です。

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築地市場で感じるドキドキとワクワク

  • ストアカでは特に、築地市場巡りしながら仕入れとセットになったレッスンが人気だとか

     

    朝早い時間に築地市場に入っていき、場外・場内にある仲買の店を回っていきます。魚を搬送する黄色いターレット(小型トラック)が忙しそうに行きかっていて、活気ある市場の生の姿を感じることができるんですよ。
    生徒さんも好きな魚を買えますので、慣れている方はMY保冷バックを片手にお買い物を楽しまれています。

  • 築地場内に入れるなんて貴重な体験です

     

    築地市場にいるだけでお祭り気分になるというか、自然に心が高揚してきますよね。生徒さんも場内市場巡りでテンションが高くなったところで、現地で買い付けた食材を自分で料理して食べてという一連の流れは、単に料理を習う教室よりもプラスアルファのものを感じておられるのだと思います。
    市場では馴染みの店を中心に回りますから、仲卸店の方も生徒さんに丁寧に接してくれるし、魚について存分に語ってくれます。その特別感も生徒さんにとっての付加価値になっているのではないでしょうか。
    店のみんな、魚への愛と情熱がすごいですから、それが生徒さんにも伝染してドンドン目が輝いてくるんですよ。

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  • どんな生徒さんが参加していますか?

     

    年齢も性別も色々ですね。釣りが趣味の方や、魚を全く触ったことのない方も。「魚がさばけるようになるとかっこいいから」という生徒さんもおられます。リピーターの方も多いですね。
    私はストアカの立ち上げ当時から教室をしていますが、当時はWEB・IT系の教室が多く、料理教室はほとんどありませんでした。その上、魚に特化した教室というので目立ったようで、おかげさまですぐに多くの生徒さんに通っていただくようになりました。

ひとつでも「驚き」があるレッスンを

  • 教えるときに心がけていることは?

     

    ひとつでも驚きを感じていただければと思っています。その驚きは何でもいいんです。食材への驚きでもいいですし、自分ができたことへの驚きでもいい。
    生徒さんの中には、いかにも他の人に連れてこられただけという感じで、最初は目に覇気がない方もおられます。それがレッスンが進むにつれて目が生き生きしてくると、本当に嬉しいです。魚の魅力や私の思いが少しは伝わったのかなと思います。

  • 魚がもつ背景や文化も大切にしていると伺いました

     

    魚を通して、日本料理の背景が分かるようなレッスンだと面白いのかなと。
    ただ料理をつくる順番を覚えるだけでなく、その食材が生まれた風景が見えてきたり、伝統的な食文化が感じられたりすると生徒さんの興味も広がっていくと思います。

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  • 料理がもつ奥深い世界にも触れられるのですね

     

    それができていれば嬉しいですが、日々、反省ばかりです。でも、なるべく文化や伝統についてもお伝えしたいという思いは強いですね。
    だしは日本文化そのものですし、日本とヨーロッパの食文化の違いについてお話することもあります。保存食の場合、日本は乾物が多く、ヨーロッパはオイルですよね。そういう身近なところから、生徒さんのきっかけづくりになればと。

生命力にあふれた市場と魚がくれるもの

  • 印象深い生徒さんのエピソードはありますか?

     

    生徒さんの中に病気を抱えておられる方がいます。その方は、病気のために食欲が減退してしまったんですね。でも、魚料理だけは食べようという意欲が湧くそうなんです。それで熱心なリピーターになって通って来てくださっています。
    私も心配で、「無理はしないでね」とお伝えしているんですけれども、その生徒さんは教室で習ったお料理を自宅で必ず再現されるので、築地でたくさんお買い物をされるんです。「築地に来ると楽しい!」「病気も吹っ飛ばしてくれる気がする」と言ってくださっています。

  • 市場の活気が良い影響を与えているのでしょうね

     

    本当にそう感じます。
    築地市場には生きのいい魚ばかりが並んでいて、心の底から沸き立ってくるような雰囲気がありますよね。しかも、その生徒さんは自分が食べる喜びと共に、家族に食べてもらう喜びも感じておられます。それは「食」の大きなチカラですよね。
    食は体にも心にもすごいパワーを与えるんだなあと、その生徒さんを見て改めて学んでいます。

  • 食の原点をまざまざと感じますね

     

    普通、病気になると、気力も自信もなくなってしまうんじゃないかと思います。食べるのも作るのも嫌になるはず。でも旬の食材を買い付けて、自分と家族のためにつくって、自分が食べて人にも食べてもらう。食を通して、その生徒さんはとても大きなものを得ておられているように感じます。同時に私も教える大きな喜びを感じていますし、その方から非常に大切なことを勉強させていただいていますね。

築地と原産地をつなげていきたい

  • 今後の展望や目標について教えてください

     

    料理教室でレッスンをするだけでなく、もっと大きな視点から、魚文化や魚食の素晴らしさを多くの人に伝えていきたいです。漁師さんの数が減ってきているという現実もありますし。私自身もフットワーク軽く、食材の原産地にあちこち行きたい思いも強いですね。

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  • それをまた料理教室に還元していく?

     

    そうですね。教室にテレビをつけて、原産地で撮影した漁師さんからのメッセージや現地の風景を流しながらレッスンすると楽しいかなと。
    長崎のワカメ業者さんとか、福井の魚を使った伝統調理法のお店とか、地域と東京を目に見えるカタチでつないでいきたいです。
    そうすれば、料理教室にも広がりがでるし、臨場感がありますよね。「今日はこの長崎のワカメでだしを取りましょう」とか。

  • ますます楽しい料理教室になりそうです

     

    生徒さんが教室を通して、食材や原産地に興味が出て「今度、旅行してみよう」なんてことになれば、とてもいい循環が生まれますよね。
    これからも旬の魚にこだわりながら、さばき方や料理だけでなく、築地市場や地域の魅力も伝え続けていきたいです。

  • 編集後記:
    インタビューとは別の日に「築地市場巡り+煮穴子丼をつくる!」も見学させていただきました。「近藤先生の魚への愛がビシビシ伝わってくる楽しいレッスンで、今日で5回目なんですよ」という生徒さんとも出会いました。
    和食の広大で奥深い世界を知ると共に、築地市場からも美味しい煮穴子丼からもしっかりエネルギーチャージができる、お得感いっぱいの素晴らしい講座でした。


  • 先生のプロフィール

    近藤小百合

    近藤小百合さん(Sayuri Kondo)

    魚文化の素晴らしさを伝えるため、命をリスペクトして素材を余すことなく使い切り、手軽に美味しく調理する方法を教える料理講師。築地場外に構える「レリエキッチン」主宰。「レリエ」とは、フランス語で「つながる」という意味。人とのつながり、生産者とのつながりを大切にしながら、活動の幅を広げている。

先生の教えている講座

講座 築地市場巡り+煮あなご丼をつくる!
受講料 6200円(140分)
定員数 4名
申し込み https://www.street-academy.com/myclass/12365

※2017年06月23日現在の情報です。

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